第5期修了生の声

Alumni Testimonials

学校法人西南学院
総合企画部企画課 IR推進室
白濱 敬悟

 
 私は、2023年5月より約半年間、第5期生として山形大学「IR担当者向け実践プログラム」に参加しました。2022年度に教務系の部署から現在の企画課に異動となり、企画課内の一係であるIR推進室の担当者としてのキャリアをスタートさせ、IR2年目にあたっての受講となりました。前任者と交代する形だったため、本当に手探りで日々の業務をこなしていく中でこのプログラムの存在を知り、IR担当者に必要な要素を “体系的” かつ ”実践的” に学べるという点に強い魅力を感じ、応募しました。そして、無事にプログラムを修了した今、ありがたいことに「修了生の声」の執筆の機会をいただきました。
 プログラムの細かな内容は、他の受講生の皆さまが紹介してくださっていますので、私は少し異なる視点で、このプログラムの「充実度」(「大変さ」と換言できるかも知れませんが…。)について書かせていただきます。受講を検討する方々の判断に資する材料になれば幸いです。

 まず、当プログラムのサイクルをおさらいしますと、以下の図のようになります。

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 大枠として、主担当講師である藤原宏司先生が作成したオリジナルデータセット(これがまた非常に練られた内容で、分析の腕が問われる造りになっていると思います。振り返ってみると、秘められた示唆を全て炙り出すことは恐らく出来なかったと思っています。)を ”実際に分析” し、様々なシチュエーションで ”実際に報告” するというまさに実践スタイルで構成されています。一見すると、「座学ばかりで退屈する研修じゃなくて楽しそう」くらいに思う方もいらっしゃると思いますので、学修の流れの実態を紹介します。

 毎月のリアルタイム講義を起点に、その講義の間に、Rの学修IR関連のオンデマンドコンテンツ,そして次のリアルタイム授業の準備がマルチタスクで同時に走っていくイメージです。Rの学修内容とオンデマンドコンテンツの内容も、回によってはリアルタイム授業にも関連してくる構造になっており、「まとめて消化」とはいきません。なお、オンデマンドコンテンツについては、そのほとんどが短期間の締め切りが設定された課題がセットとなり、それが毎週のように押し寄せてきます。基本的に、コンテンツ視聴のうえ簡単なレポートを作成するという課題がメインで、1つ1つのボリュームは大きくないですが、なによりも課される頻度が高いため提出の期日管理も含めて大変です。そして、個人的に苦労したのは、リアルタイム授業が分析報告プレゼンテーションだった際の準備期間でした。〈準備 = 発表資料の作成 + 発表の練習〉 であり、当然「データ分析」ももれなくセットとなりますので、特に時間を要します。(先生方は「そんなに力をいれて時間を使わなくても大丈夫ですよ。」と言ってくださいますが、当然、皆さんの前で発表する手前、中途半端なものを出すわけにもいきません。)これを、上述の課題等に加えて日常業務と平行して取り組んでいくことをご想像いただけると、「充実度」はなんとなくご理解いただけるかと思います。

 パーソナルな観点だと、

  • IRに関連する業務経験が一切ない方
  • これまでの業務経験として、いわゆる「データ」を扱った経験がない方
  • プログラミングをはじめとするテクノロジー関係に対するアレルギーがある方

 環境における観点だと、

  • 職場のルールにおいて、業務時間内に学修時間を確保できる環境にない方
  • 日常業務との兼ね合いで、5月~10月に大きな繫忙期を迎える方

は、少なからず苦労する可能性が高いと思います。私自身、普段の業務に上乗せされる形で山積みになる課題たち…リアルタイム授業(プレゼンテーション)が迫ってくるプレッシャー…といった感じで、想定を遥かに超えた大変な思いをしました。(これは余談ですが、各大学で課題とされている ”実質化された単位(2単位のTOTAL学修時間=90時間+α)” というものを、身を以て体験する機会にもなると思います。)

 誤解を招かないように補足いたしますが、私がお伝えしたかったのは、決して、「受講を勧めない」ということではなく、「軽い気持ちで応募する研修ではない」ということです。向上心や意欲を持たれた方にとっては、この上ないプログラムであることは間違いありません。そして、これだけ充実したカリキュラムであれば、必要な学修時間が多くなるのは当然ですし、結果として「能力が伸長しない訳がない」と確信しております。実際、リアルタイム授業を重ねるたびに、自身の成長を実感する場面を感じることができました。そして何よりも、このプログラムは1人だけで黙々と学修を進めるものではありません。同じ目標に向かって頑張る仲間や先生方の存在が、必ずや大きな支えになってくれます。心からこのプログラムに参加して良かったと思っています。​​​​​

 最後に、このプログラムを企画・運営してくださった山形大学の先生方、講師の先生方、事務局の方々に心から感謝申し上げます。また、一緒に学んだ第5期の受講生の皆様にも、大変お世話になりました。ここで築いたネットワークを大切にし、皆様のお力を借りながら、今後もIRに関する学びを続けていきたいと思っています。そして、このプログラムで学んだことを活かして”意思決定に資する良質なサポート”をしていきたいと思います。

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